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起業するなら個人?法人?メリット・デメリットを比較!

「これから起業します!」と言われて、世間一般の人がイメージするのは、ベンチャー企業を立ち上げて法人としてビジネスを始めることでしょう。

もちろん会社を立ち上げて起業する方法もあるのですが、一方で「個人事業主」として個人でビジネスをスタートする方法もあります。

もしかしたら、これから起業するにあたってどっちの方法にしたらいいのか迷うこともあるかもしれません。

そこで今回は、個人と法人、どちらで起業すべきかをテーマにそれぞれのメリット・デメリットを比較していきたいと思います。

法人(株式会社)として起業するメリット

まずは個人事業主と比較した法人のメリットについて紹介していきましょう。

法人でビジネスを始める利点はいくつかあるのですが、中でも特に重要なのが「信用度が高まる」「税金を抑えることができる」の2点です。

信用度が高まり、ビジネスが有利になる

たとえばクライアントからWEBデザインの仕事を受けるとしても、個人として受注するか会社として受注するかによって、クライアントの態度も大きく異なります。

フリーランスでやっている場合は、立場が弱いこともあって「個人でやっているし、もうちょっと安くしてよ」と言われやすい傾向にあるんですね。

一方で、会社と会社との取引であれば、そうした圧力もなくなります。

会社という組織があなたの信用度を高めてくれるため、ビジネスを有利に進めることができるんですね。

ほかにも、社会的な信用度が高まって銀行からの融資が受けやすくなったり、法人専用の口座を開設できるメリットもあります。

税率が低く、節税もしやすい

個人向けの所得税は、所得の額に応じて最大で45%まで上昇する累進課税制度になっています。

すごくざっくりと言えば、1000万円稼いだうちの450万円を税金として持っていかれる計算です。

月収100万円のうち45万円が差し引かれて、手元には55万円しか残らないようなものです。これでは働くモチベーションが下がってしまいますよね。

しかし会社を立ち上げてから払うことになる法人税は、最大でも36%程度。

収入が多くなればなるほど税率が上がっていく傾向にあるため、すでにある程度の売り上げが立つと見込めるなら、最初から法人でスタートしたほうが手元に残る現金は増えるかもしれません。

また、役員報酬として自分に給料を払ったりすることも可能になるため、節税対策がしやすくなるメリットもあります。

法人(株式会社)として起業するデメリット

もちろん、法人でビジネスを始めることにはデメリットも存在します。

いずれのデメリットも「コスト」に関する欠点です。

登記などの初期費用がかかる

イチから株式会社を立ち上げようとすると、定款と呼ばれる会社のルールの作成や、会社の設立登記など、さまざまな手続きが必要となります。

これらの手続き自体はそれほど難しいものではありませんが、問題はそれにかかる費用です。

平均的には約30万円程度の初期費用がかかるのが普通で、会社のHPなどを外注して作成するとなればさらなる出費もかさんでいきます。

絶対に必要なものではありませんが、オフィスを借りたり従業員を雇ったりすることによって、多額の敷金や採用コストも発生してしまうでしょう。

社会保険料などの固定費も発生

法人としてビジネスを行う場合には、厚生年金や健康保険の強制適用事業所になるため、こうした社会保険料の支払いが発生するようになります。

社会保険料は半分が会社負担、半分が個人負担ですね。

個人向けの国民年金よりも、会社員向けの厚生年金は手厚く年金がもらえる傾向にあるので、あまり大きなデメリットには感じられないかもしれません。

毎月の家賃や従業員への給料の支払いも、大きな固定費になります。

こうした固定費はどれだけ会社が儲かっていなくても必ず支払わないといけないので、まだ稼ぐ土台ができていないならできるだけ削減していく必要があります。

個人で起業するメリット

では、法人ではなく個人で起業するメリットにはどんなものがあるのでしょうか?

個人でビジネスを始めるメリットを一言でまとめるなら、「コストがかからない」となるでしょう。

ハードルが低くいますぐ始められる

たとえば「フリーランス」を名乗るだけなら、何の手続きをしなくてもいますぐに名乗ることができます。

フリーランスになるためには特別な手続きなどは必要としないため、あなたが宣言すればそれでフリーランスとして起業したということになるんですね。

個人事業主として独立するためには、税務署で「開業届」などを提出する必要がありますが、これは30分もあれば記入してすぐに提出できる簡単な書類。

会社を設立するときのようなめんどうな手続きが必要なく、始めるハードルが非常に低いのが特徴です。

もちろん初期コストもかかりませんので、お金がなかったとしてもすぐに始めることができます。

自宅をそのまま事務所として使うこともできますし、電気代や通信費は年末の「確定申告」という手続きで経費に計上することが可能です。

事務手続きがシンプル

この確定申告についても、法人の場合と比べて非常にシンプルなものになっています。

有料のクラウド会計ソフトなどを使えば簡単に手続きすることができて、税理士さんなどに仕事を依頼する必要もありません。

基本的に自分一人だけでビジネスを行うので、社会保険料の支払いなども自分の手続きだけでOK。

結局、個人と法人どっちがいいの?

「じゃあ結局、個人と法人ならどっちで始めるべきなの?」

という質問に答えるなら、「まずは個人で起業しよう!」とアドバイスしたいと思います。

まずは個人で起業しよう

何の実績もスキルもない人が会社を設立してビジネスを始めてしまうと、初期費用や固定費で資金が圧迫されて、こまごまとした手続きによって仕事に取り組む時間が削られるリスクも高くなります。

ビジネスに失敗してしまったときにリカバリするのが難しく、心理的なプレッシャーも大きなものとなるでしょう。

ですので、まずは個人事業主として起業することがおすすめです。

最寄りの税務署に行って開業届を出してくればOKなので、すぐに一歩踏み出してみましょう。

個人でテスト、法人で軌道に乗せる

個人でビジネスを始めてある程度売り上げが立つようになったら、少しずつ法人化を検討していくといいですね。

「年収1000万円になったら法人化すべき」などと語られることがよくありますが、これは法人化したほうが税金が安くすむなどのメリットがあるからです。

年収1000万円を超えてくると確定申告の手続きがめんどうになり、税理士さんに依頼することも出てくると思います。

そのタイミングで、会社を設立することを考えてみるといいかもしれません。

おわりに

というわけで今回は、個人で起業するか、会社として起業するかをテーマにお伝えしてきました。

企業のハードルを下げるためにもまずは個人でスタートして、年収1000万円あたりを目安に法人化を考えていきましょう。